*以下、おまけの主花主です*
クマが先に帰った後の堂島家にて。
「……陽介。何ぶすくれてるんだ」
「べっつにー? ただ天城が悠の嫁さんだってのがなーってだけだから!」
呆れて何も言えなくなってしまった。夢の中だろう……。
「俺はほんと、お前大好きだから。夫婦になりたいってくらい好きだからな」
顔が近い、と気づいた時にはキスをされていた。唇にぬるっとした感触が走った瞬間に慌てて距離を取る。
「舌はやめろ、舌は」
「ちぇー。お預けかよ」
「早く帰らないとクマが寂しがるぞ」
「つれないなぁ……ってじょーだんじょーだん。わかってるよ。くだらねー真似して悪かった」
慌てた様子で陽介が折れた。全く、焼きもち焼き過ぎるのもどうかと思う。
「でも、さ。悪くは、ないよな?」
少し顔を赤らめながら、手をそっと絡めてくる。
「俺とお前がその、夫婦みたいな関係で、クマがその子供っての」
「陽介……」
「って結構イタイな。わり、変なこと言った」
痛い。普通ならそう感じるべきなのだろう。
けれど冗談抜きで、語られた未来も悪くないと少し思ってしまった。
完全に夢物語なのに笑ってさえしまう。「好き」という気持ちはここまで前向きになれてしまうみたいだ。
なんとなく互いに顔を見合わせる。そしてなんとなく互いに軽く吹き出した。
「……あ。そうなると、どっちがダンナでどっちが奥さんなんだ?」
「え、そこ? いや、でもお前が奥さんじゃね? 料理うまいし気配りやばいし」
「気配りなら陽介だって負けてないだろ。あと尽くすタイプだし」
「やっ、やめろ恥ずかしいだろ! ってーか絶対お前が妻だね妻!」
「そこは俺も譲れない」
